やまなし映画祭
やまなし映画祭 Yamanashi Film Festival | |
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第7回(2011年)のメイン会場・岡島ローヤル会館(岡島百貨店8・9階) | |
イベントの種類 | 映画祭 |
通称・略称 | YFF |
正式名称 | やまなし映画祭 |
初回開催 | 2005年11月1日 - 11月15日[1] |
会場 | 岡島ローヤル会館 甲宝シネマ |
主催 | やまなし映画祭実行委員会 |
後援 | 山梨県 甲府市 山梨県立大学 山梨中央銀行 甲府市観光協会 山梨日日新聞社ほか |
協賛 | 甲府商工会議所 株式会社岡島 山梨中央銀行 山梨交通ほか |
出展数 | 6作品(2011年/第7回) |
来場者数 | 900人(2011年/第7回) |
岡島ローヤル会館への交通アクセス | |
最寄駅 | 甲府駅 |
駐車場 | 岡島駐車場マップを参照 |
公式サイト | |
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やまなし映画祭(やまなしえいがさい、英語名称Yamanashi Film Festival、略称YFF)は、日本の映画祭。毎年山梨県で行われた。
概要
やまなし映画祭実行委員会が主催する映画祭であった。2005年のスタート時は甲府商工会議所が主催し、甲府市内の映画館を中心に開かれていたが、2010年に山梨県立大学が事務局となり、新たな実行委員会を組織した。2010年度は2011年3月に予定されていたが東日本大震災の影響による計画停電で中止となった。2011年度は岡島ローヤル会館で開催された。
山梨県出身、ゆかりの映画人が製作にかかわった作品、山梨県内がロケ地となった作品を中心に上映、ティーチ・インが行われた。2011年度開催時の実行委員長は山梨県立大学の伊藤洋学長が務めた。
目的
- 映像文化の発展
- 甲府市中心街地の活性化
キャッチコピー
- 全ては映画ファンのために… For people who love movies
歴史
2005年 - 2009年 事務局:甲府商工会議所
2005年スタート時、甲府市中心街には甲宝シネマ、甲府武蔵野シネマ5、甲府東映セントラル、シアターセントラルBe館の4館12スクリーンがあり、地方都市のなかでも比較的スクリーンが多かった。そのことから甲府商工会議所は民間ボランティアや商店街、映画館などと実行委員会を作り、「2005やまなし映画祭」をスタートさせた。
この時期は、映画館など各会場で1日に数作品程のペースで上映していた。入場は無料。作品上映イベントは監督や俳優などがゲストとして招かれ、地元放送局のアナウンサーとトークショーを行っていた。作品セレクトは商工会議所や映画館関係者、民間ボランティアにより行われていた。上映した作品群を見ると、一見山梨と関連が薄い作品も見受けられるが、ロケ地やスタッフ、キャストに必ず関係がある作品がセレクトされていた。
第1回の映画祭に合わせ、市民ボランティアの呼び掛けにより、甲府市中心街を舞台としたオリジナル映画制作が取り組まれた。山梨県内の高校生による原案を脚本化し、キャスト、撮影、音響、裏方までを一般市民とプロのスタッフが協力して取り組むというものであった。これには商店街も撮影場所としての空き店舗の提供、エキストラ出演など、撮影に協力して作品が完成した。第2回の2006年は、全国から脚本を募集し、最優秀作品を映像化した。市民が「街をステージ」として活動し、注目されていたが、2007年に映画祭を開催する際、甲府商工会議所内の一部で映画制作に予算編成することが地域活性化になるのかという考えが出て、市民参加の映画制作は中止に追い込まれた[注 1]。また、トークショーもなく上映会のみの回もあり、この時の運営では映画祭らしさが見えなかった。
2008年より甲府市中心市街地活性化基本計画の事業の1つとなった。この年よりやまなし映画祭実行委員会(商工会議所、商店街関係者、映画館関係者、甲府市職員、民間ボランティアなどで構成)が正式に発足し、外部有識者の意見を取り入れ、作品・ゲスト選定を行っていくことになった。
2010年 - 2011年 事務局:山梨県立大学
2009年12月に事務局である甲府商工会議所が「活性化イベントとしての費用対効果が得られない」との理由により事業の撤退を表明した。理由として事業費の一部が市の補助金で賄われているのに対し、観客動員の低調や甲府中央商店街との協力体制がとれていないことが挙げられた。しかし、やまなし映画祭実行委員会の実行委員らが新実行委員会発足に向けて行動を開始、これに呼応して甲府市も文化イベントの継続を認め、補助金を確保する形で継続となった。通常、行政が運営に失敗した事業を民間が拾う形はよくあることだが、今回は民間の甲府商工会議所が撤退した事業を甲府市が復活させるという逆の形であった。
2010年12月16日、新たに「やまなし映画祭実行委員会」が発足した。委員長は、伊藤洋山梨県立大学学長、事務局は同大学の地域研究交流センターに置かれた。大学が映画祭の事務局を引き受けることは、日本では初めてである。2011年3月14日、11日に起きた東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の影響による交通網のマヒや東京電力が実施した計画停電により、安定した上映が確保できないとして中止を決定した。なお、仕切り直しとなった2011年度は2011年10月23日、11月19日、11月20日に岡島百貨店8階の岡島ローヤル会館で開催された。
2011年12月、山梨県立大学が事務局を撤退し、映画祭の開催は事実上一区切りとなった。
2012年以降と成果
2012年度以降は別組織が運営を行ない、2015年11月14日の第11回まで開催されていたのが確認されている。
実行委員やメディアからは「幅広いジャンルの映画を上映し、監督・俳優によるティーチ・インが行われ、山梨の映画文化の発展に貢献した。」や「幅広い年代、職業の人間が集まったことによって、映画祭を盛り上げるのに一役買った。」との評価がある一方で、2009年に甲府東映セントラル、2011年に甲府武蔵野シネマ5が相次いで閉館したことでスクリーンが不足し、2011年の上映が岡島ローヤル会館で開催せざるを得なくなった要因となっている。2013年には甲宝シネマも閉館し、残ったのはスクリーンが2つで旧作が中心のシアターセントラルBe館だけとなったが、そのシアターセントラルBe館も2023年11月を以て閉館したことで山梨県の県庁所在地から映画館が消滅してしまった[注 2][注 3]。中心部衰退で経営が苦しくなっていたなかでの映画祭開催は映画館にとって負担が大きく、かつ実行委員会や甲府商工会議所との連携がとれなかったこともあり、結果地域活性化のはずがかえって衰退を早めてしまった。
チケットの予約
2005年の第1回目から2007年の3回目までの入場チケットの入手方法は、甲府中央商店街で500円以上の買い物をし、そのレシートを銀座街の駅に持っていき、鑑賞したい作品の入場チケットを入手するというものであった。これは、イベントに参加するために事前に商店街に足を運ばなければならなかった。このため、外部有識者の意見を取り入れた2008年からは、郵便往復ハガキと電子メールで受け付け、山梨県外からの客の受け入れが可能となった。
2011年開催の第6回は、チケットを有料化し、e+(イープラス)で販売した。
企画チーム・やまなし映画夢人(やまなしえいがむじん)
やまなし映画祭2011を開催するにあたり、結成された企画チームが「やまなし映画夢人」である。映画監督の崔洋一が顧問をつとめた。
山梨県職員や甲府市職員、映画関係者、学生や一般市民などで構成されたチームが映画祭の企画を考え、イベントも運営した。2009年までの映画祭実行委員会は、主に商店街関係者や映画館関係者などで多く構成されていたが、実際にイベント運営にかかわるのは映画館関係者と民間ボランティアであった。このため民間ボランティアにかかる負担が大きくなったため企画チームが新たに結成された。
主な上映作品・イベント
2005年度
- 『洗濯機は俺にまかせろ』
- 『秀子の車掌さん』
- 『いま、会いにゆきます』
- 『神風』 ※映画祭オリジナル作品
- 他。観客動員数データなし
2006年度
- 『ピーナッツ』
- 『風林火山』
- 『油断大敵』
- 『月とキャベツ』
- 『幸福な食卓』
- 『黒振袖を着る日』(映画祭オリジナル作品)
- 他。観客動員数データなし
2007年度
- 『男はつらいよ 寅次郎夢枕』観客動員数:58人
- 『ストロベリーショートケイクス』観客動員数:63人
- 『ほのかの書』観客動員数:68人
- 『棚の隅』観客動員数:72人
- 『ゆれる』観客動員数:98人
- 『24時間映画祭』観客動員数:33人
- 『映画ポスター・パンフレット展示販売会』観客動員数:60人
- 『ちびっこ映画祭』(サンリオ短編3本)観客動員数:50人
- 『映画祭オリジナル短編3作品』(『そらぞら』『じいちゃんの畑』『信二』)観客動員数:90人
- 『映画検定模擬クイズ』参加者数:22人
- 観客動員数合計:614人
2008年度
- 『10時間耐久映画マラソン』(『ちーちゃんは悠久の向こう』『きみの友だち』『口裂け女2』『ルパンの消息』)観客動員数:延べ72人
- 『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』観客動員数:86人
- 『アニメクロニクル 巨人の星 ルパン三世誕生秘話』観客動員数:59人
- 『クライマーズ・ハイ』観客動員数:128人
- 『ゴジラVSデストロイア』観客動員数:100人
- 『ちびっ子映画祭』(サンリオ短編作品3本)観客動員数:85人
- 『コス★も〜る』(コスプレイベント)観客動員数:60人
- 『地域活性化のための映画祭の成功モデル』(セミナー)観客動員数:34人
- 『ごんべん 銀河万丈読み語り』観客動員数:140人
- 観客動員数合計:764人
2009年度
- 『ゴジラVSメカゴジラ』観客動員数:81人
- 『ルパン三世 カリオストロの城』観客動員数:90人
- 『隠し砦の三悪人THE LAST PRINCESS』観客動員数:75人
- 『機動戦士ガンダムI』観客動員数:66人
- 『機動戦士ガンダムII 哀・戦士編』観客動員数:56人
- 『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』観客動員数:68人
- 『花婿は18歳』観客動員数:38人
- 観客動員数合計:474人
2011年度
- 『ヤーチャイカ』 作品上映&覚和歌子・谷川俊太郎トークショー 観客動員数:140人
- 『いつか来た道』観客動員数:180人
- 『キングコング対ゴジラ』&東宝特撮ファンミーティング 観客動員数:130人
- 『甲州戦記サクライザー★オムニバス』観客動員数:50人
- 映画『サウダーヂ』作品上映&富田克也監督トーク・stillichimiyaライブ 観客動員数:300人
- 『きょうを守る』(映画祭オリジナル作品)観客動員数:100人
- 観客動員数合計:900人
主なゲスト
- 俳優・声優・モデル
- 北乃きい「幸福な食卓」(2006年)
- 内田量子「棚の隅」(2007年)
- 岩田有民「ほのかの書」(2007年)
- 尾野真千子「クライマーズ・ハイ」(2008年)
- 大和田美帆(2008年)
- 銀河万丈(2008年)
- 齋藤恵(2008年)
- 島本須美「ルパン三世 カリオストロの城」(2009年)
- 坂野友香「隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS」(2009年)
- 映画監督
- 篠原哲雄「月とキャベツ」(2006年)
- 成島出「油断大敵」(2006年)「クライマーズ・ハイ」(2008年)
- 矢崎仁司「ストロベリーショートケイクス」(2007年)
- 荻野欣士郎「ほのかの書」(2007年)
- 門井肇「棚の隅」(2007年)
- 兼重淳「ちーちゃんは悠久の向こう」(2008年)
- 大河原孝夫「ゴジラvsデストロイア」(2008年)「ゴジラvsメカゴジラ」(2009年)
- 若松孝二「実録・連合赤軍」(2008年)
- 小林政広(2008年)
- 寺内康太郎「口裂け女2」(2008年)
- 樋口真嗣「隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS」(2009年)「東宝特撮ファンミーティング」(2011年)
- 覚和歌子「ヤーチャイカ」(2011年)
- 谷川俊太郎「ヤーチャイカ」(2011年)
- 中野昭慶「キングコング対ゴジラ」(2011年)
- 富田克也「サウダーヂ」(2011年)
- 助監督
- 猪腰弘之「いま、会いにゆきます」(2005年)
- プロデューサー
- 小滝祥平「幸福な食卓」(2006年)
- 小池和洋「棚の隅」(2007年)
- 富山省吾「ゴジラvsデストロイア」(2008年)「ゴジラvsメカゴジラ」(2009年)「東宝特撮ファンミーティング」(2011年)
- 佐野寿七「巨人の星」「ルパン三世」(2008年)「ルパン三世 カリオストロの城」(2009年)
- 製作担当者
武石宏登「いま、会いにゆきます」(2005年)
- ビデオメッセージ
- その他
- 前澤哲爾 山梨県立大学教授 全国フィルムコミッション連絡協議会専務理事(当時)(2008年)
- 友永和秀 テレコム・アニメーションフィルム取締役「ルパン三世 カリオストロの城」(2009年)
- 小松澤陽一 映画祭プロデューサー
トークショー司会
トークショーの司会は2005年の第1回から2011年の第7回までUTY(テレビ山梨)の鈴木春花が務めていた。
2007年の第3回からはNHK甲府放送局の松尾れいとYBS(山梨放送)の中島そよかが加わった。同一イベントで山梨県内の3つの放送局のアナウンサー・キャスターが協力する形となった。YBSの中込真理子も一部のイベントで司会を担当した。
2008年からはYBSの植田有紀子とNHK甲府放送局の鈴木淳子、UTYの黒塚まや、フリーアナウンサーの本松明菜、ファッションモデルの齋藤恵らが司会陣に加わった。
2009年は、UTYの鈴木春花、黒塚まや、YBSの植田有紀子、本松明菜、齋藤恵に加え、NHK甲府放送局の堀口典子が司会陣に加わった。
2011年は、UTYの鈴木春花とTBSニュースバードの黒塚まや、YBSの原香緒里、前田真宏、NHK甲府放送局の小林巳記が司会を務めた。
脚注
注釈
出典
- ^ 甲府商工会議所 (2005年10月28日). “県内ロケ作品が里帰り「やまなし映画祭」開催へ”. 地域最前線. 日本商工会議所. 2012年11月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年1月10日閲覧。
外部リンク
- 旧やまなし映画祭公式ウェブサイト※2011年度まで情報発信を事務局担当者が行った。現在は情報発信をほぼ行っていない。
- やまなし映画祭 (@yamanashiff) - X(旧Twitter)※2011年度まで情報発信を事務局担当者が行った。現在アカウントは削除された。