ウェーバー条項

ウェーバー条項(ウェーバーじょうこう)は、1948年に発足したGATT(関税および貿易に関する一般協定)の25条第5項を指す。

この条項は、GATT加盟国の3分の2以上の多数決により、加盟国の義務を免除するものである。この条項により義務免除を認められた実例は、数多くある[1]。しかしその多くは途上国への特恵関税であるとか、一時的な措置である。そのなかで米国が農業調整法に基づく輸入制限について受けたウェーバーは、適用範囲が農業調整法の対象とされ、米国の法改正により際限なく拡大が可能であり、かつ期限も無期限とされるなど、内容がはなはだしくGATTの原則を逸脱するものであった。

WTO協定におけるウェーバー

WTO協定においても義務免除の規定がある(第9条3)が、必要な多数決が4分の3に引き上げられるとともに、1年を超える場合は毎年の見直しが義務付けられ(第9条4)、規律の強化がされている。

出典

  1. ^ 津久井茂充(1997) WTOとガット 日本関税協会 PP715-718 に一覧がある。
条約

世界貿易機関を設立するマラケシュ協定
附属書 1A:物品の貿易に関する多角的協定 - (A)1994年のGATT - (B)農業協定 - (C)SPS協定 - (D)繊維協定 - (E)TBT協定 - (F)TRIMs協定 - (G)アンチ・ダンピング協定 - (H)関税評価協定 - (I)PSI協定 - (J)原産地協定 - (K)ライセンシング協定 - (L)補助金協定 - (M)漁業補助金に関する協定- (N) セーフガードに関する協定- (O)貿易の円滑化に関する協定
附属書 1B:サービスの貿易に関する一般協定(GATS)
附属書 1C:知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS協定)
附属書 2:紛争解決に係る規則及び手続に関する了解(DSU)
附属書 3:貿易政策審査制度(TPRM)
附属書 4:(A)民間航空機貿易に関する協定 - (B)政府調達協定
過去に附属書4の協定だったが、失効し、附属書4から削除されたもの:(C)国際酪農品協定 - (D)国際牛肉協定

ラウンド
事務局長
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