デイヴィッド・ミリバンド

デイヴィッド・ミリバンド
David Miliband
生年月日 (1965-07-15) 1965年7月15日(58歳)
出生地 イギリスの旗 イギリスロンドン
出身校 オックスフォード大学コーパス・クリスティ・カレッジ
所属政党 労働党
親族 エド・ミリバンド
公式サイト David Miliband, Member of Parliament for South Shields

イギリスの旗 影の外務・英連邦大臣
在任期間 2010年5月11日 - 2010年10月8日

内閣 ブラウン内閣
ブラウン第1次改造内閣
ブラウン第2次改造内閣
ブラウン第3次改造内閣
在任期間 2007年6月28日 - 2010年5月11日

イギリスの旗 環境・食料・農村大臣
内閣 第3次ブレア改造内閣
在任期間 2006年5月5日 - 2007年6月28日

イギリスの旗 コミュニティーおよび地方政府大臣
内閣 第3次ブレア内閣
在任期間 2005年5月5日 - 2006年5月5日

イギリスの旗 下院議員
選挙区 サウス・シールズ選挙区
当選回数 3回
在任期間 2001年6月7日 - 2013年4月15日
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デイヴィッド・ライト・ミリバンド: David Wright Miliband1965年7月15日 - ) は、イギリスの元政治家。現在、国際救済委員会(英語版)委員長。庶民院議員を3期務めた。所属政党は労働党、タインアンドウィア州サウスシールズ選挙区選出。2007年6月ブラウン政権誕生にともない、英史上2番目に若い外務大臣に就任した。元労働党党首で、経済学者、庶民院議員のエド・ミリバンドは弟。

来歴

生い立ち

イギリス・ロンドンに生まれる。父はベルギー出身の政治学者であるラルフ・ミリバンド、母はホロコースト避難民であるポーランドユダヤ人マリオン・コザック(英語版)。兄弟が同時に内閣に入ったのは、1938年ダービー伯爵家出身のエドワード・スタンリー(英語版)とその弟オリヴァー(英語版)が入閣して以来のことである。ミリバンドの父方の祖父母も、祖父サムエル・ミリバンドがポーランド・ソビエト戦争で赤軍に入隊するまで、ワルシャワのユダヤ人街で生活していた。

ロンドンリーズで学んだのち、オックスフォード大学のコーパス・クリスティ・カレッジへ入学し、哲学政治学経済学で優秀な成績を収めた。そして奨学生に選ばれ、1990年マサチューセッツ工科大学で政治学修士号を取得した。

政界へ

幼い頃はバスの車掌になるのが夢だったミリバンドであったが、最初に勤めたのは任意団体の全国協議会であった。1989年から1994年には公共政策研究所で研究員になって政策分析を、1992年から94年は社会正義を対象にした委員会の書記を務めた。1994年からは労働党党首になったトニー・ブレアの政策担当員になり、1997年イギリス総選挙での労働党のマニフェストの策定に大きく貢献した。

その選挙で労働党が勝利すると、ブレアはミリバンドを首相の政策諮問機関の長に任命し、2001年の総選挙までその任務にあたった。その頃アリスター・キャンベル(英語版)により、『サンダーバード』のキャラクターにちなんでブレインズというニックネームが付けられている[1]

若きホープ

2001年にサウスシールズ選挙区から出馬して当選し、庶民院議員となる。2006年には環境・食料・農村大臣(英語版)として第3次ブレア内閣に入閣を果たす。ブラウン内閣では、外務英連邦大臣に就任した。

党内では忠実なブレア派であり、ゴードン・ブラウンブラウン派にとって、その存在は大きな脅威であった。ブレア後継を巡る党首選挙で両派の対立が激化すると、ミリバンドやアンディ・バーナム(英語版)らは、党の分裂を避けるために無投票でのブラウンの党首・首相就任でまとめようとする、「ブラウンのためのブレア派」として党内融和に努めた。ブラウン内閣の外相就任に当たっては、党首選挙に出馬しなかった論功行賞ではないかという憶測もある。

ブラウン政権の支持率の低さも作用し、再びブレア派・ブラウン派の対立が激化する中、ブレア派においてミリバンドはその旗頭とされ、ポスト・ブラウンへの待望論が一層強まった。

2009年1月15日インドムンバイでのスピーチや『ガーディアン』紙への寄稿で、アメリカの「テロとの戦い(war on terror)」という概念は誤りであったと明言。異なる背景をもつ勢力をひとまとめにし、軍事力で抑え込もうとする方法の限界を指摘して、テロへの対処としてより多角的なアプローチを取ることの有効性を説いた[2]

2010年5月の総選挙で労働党は敗北して下野。その後行われた党首選挙に本命候補として満を持して出馬した。党首選では、第1ラウンドから第3ラウンドまで一貫して首位をキープしていたものの、決選投票で弟のエドに僅差で逆転され、落選した。党首選落選後、次の総選挙に出馬せず政界から引退すると表明した。

政界引退後

2013年9月より国際救済委員会(英語版)の委員長を務めている。

脚注

  1. ^ 「デービッド・ミリバンド (新しい年、注目のキーパーソン)」『ニューズウィーク』Vol.23, No.1 (2008/1/2・9)
  2. ^ “「テロとの戦い」は「誤り」、英外相がブッシュ米政権を批判”. AFP. (2009年1月16日). https://www.afpbb.com/articles/-/2558627?pid=3689784 2009年1月20日閲覧。 

外部リンク

  • ウィキメディア・コモンズには、デイヴィッド・ミリバンドに関するカテゴリがあります。
公職
先代
ウィリアム・ヘイグ
イギリスの旗 イギリス影の外務・英連邦大臣
2010年
次代
イヴェット・クーパー
先代
マーガレット・ベケット
イギリスの旗 イギリス外務英連邦大臣
2007年 - 2010年
次代
ウィリアム・ヘイグ
先代
マーガレット・ベケット
イギリスの旗 イギリス環境・食料・農村大臣
2006年 - 2007年
次代
ヒラリー・ベン
先代
(創設)
イギリスの旗 イギリスコミュニティーおよび地方政府大臣
2005年 - 2006年
次代
ルース・ケリー(英語版)
議会
先代
デイヴィッド・クラーク(英語版)
サウス・シールズ選出イギリス下院議員
2001年 -
次代
(現職)
外務大臣
  • フォックス1782-1783
  • グランサム男爵1782-1783
  • フォックス1783
  • テンプル伯爵1783
  • リーズ公爵1783-1791
  • グレンヴィル男爵1791-1801
  • ホークスベリー男爵1801-1804
  • ハロービー伯爵(英語版)1804-1805
  • マルグレーブ伯爵1805-1806
  • フォックス1806
  • ハウィック子爵1806-1807
  • カニング1807-1809
  • バサースト伯爵1809
  • ウェルズリー侯爵1809-1812
  • カースルレー子爵1812-1822
  • カニング1822-1827
  • ダドリー伯爵(英語版)1827-1828
  • アバディーン伯爵1828-1830
  • パーマストン子爵1830-1834
  • ウェリントン公爵1834-1835
  • パーマストン子爵1835-1841
  • アバディーン伯爵1841-1846
  • パーマストン子爵1846-1851
  • グランヴィル伯爵1851-1852
  • マームズベリー伯爵1852
  • ラッセル1852-1853
  • クラレンドン伯爵1853-1858
  • マームズベリー伯爵1858-1859
  • ラッセル伯爵1859-1865
  • クラレンドン伯爵1865-1866
  • スタンリー卿1866-1868
  • クラレンドン伯爵1868-1870
  • グランヴィル伯爵1870-1874
  • ダービー伯爵1874-1878
  • ソールズベリー侯爵1878-1880
  • グランヴィル伯爵1880-1885
  • ソールズベリー侯爵1885-1886
  • ローズベリー伯爵1886
  • イデスリー伯爵1886-1887
  • ソールズベリー侯爵1887-1892
  • ローズベリー伯爵1892-1894
  • キンバリー伯爵1894-1895
  • ソールズベリー侯爵1895-1900
  • ランズダウン侯爵1900-1905
  • グレイ1905-1916
  • バルフォア1916-1919
  • カーゾン侯爵1919-1924
  • マクドナルド1924
  • チェンバレン1924-1929
  • ヘンダーソン1929-1931
  • レディング侯爵1931
  • サイモン1931-1935
  • ホーア(英語版)1935
  • イーデン1935-1938
  • ハリファックス子爵1938-1940
  • イーデン1940-1945
  • ベヴィン1945-1951
  • モリソン1951
  • イーデン1951-1955
  • マクミラン1955
  • ロイド(英語版)1955-1960
  • ヒューム伯爵1960-1963
  • バトラー1963-1964
  • ゴードン・ウォーカー(英語版)1964-1965
  • ステュアート(英語版)1965-1966
  • ブラウン(英語版)1966-1968
  • ステュアート(英語版)1968
外務・英連邦大臣
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