全インド統一民主戦線
全インド統一民主戦線 All India United Democratic Front | |
---|---|
党首 | バドルディン・アジマル |
成立年月日 | 2006年 |
本部所在地 | グワーハーティー |
ローク・サバー議席数 | 1 / 545 (0%) |
ラージヤ・サバー議席数 | 0 / 245 (0%) |
政治的思想・立場 | 世俗主義 |
テンプレートを表示 |
全インド統一民主戦線(All India United Democratic Front)はインドの政党。地方政党の1つとして位置づけられ、アッサム州で活動している。略称は「AIUDF」。
概要
略歴・現状
香料の原料輸出で巨額の富を持ち、「アッサムで一番裕福な候補者」とされたバドルディン・アジマル(英語版)が2006年州議会選挙の前に結成した政党である[2]。当初の政党名は「アッサム統一民主戦線」(Assam United Democratic Front)であった。同選挙では初参戦ながら124議席中10議席を獲得する上々の滑り出しを見せ[3]、2009年の連邦下院選挙では、アジマルがドゥブリ(Dhubri)選挙区で勝利、アッサム州割当14議席の中の1議席を獲得した[2]。この善戦は、国民会議派(INC)の州首相タルン・ゴゴイ(英語版)にも警戒感を抱かせた[4]。
その後、党名を現在の「全インド統一民主戦線」に改め、組織整備を進めるなどして更なる飛躍を期すことになる。そして2011年州議会選挙では、AIUDFは議席数を18まで伸ばし、州議会内第2党の地位を獲得した[5]。一時はINCとの選挙協力や連立などがささやかれたが、INCはこれを否定し[6]、そのためAIUDFは州議会で最大野党の位置につけることになった。
2014年の連邦下院選挙でもAIUDFはアッサム州の各選挙区に候補者を擁立した。この選挙はインド人民党(BJP)優勢の状況下にあり、事前の予想ではAIUDF苦戦(アジマルのみ再選)と見られていた。しかしAIUDFは、アジマルが再選されたのみならず、2選挙区でも勝利を収め、計3議席へと躍進を果たした[7]。但し、2019年の連邦下院選挙では、1議席に減らしている。
基本路線・政治手法
AIUDFは、政教分離主義と反宗派主義を掲げて「すべてのマイノリティと抑圧された人々を代表する」ことを主張し、特にベンガル地域に出自を持つムスリムのコミュニティに広範な支持がある。そのため、同様に移民排斥に反対しムスリムの支持を調達してきたINCの基盤を切り崩すことになった[2]。また、近年はムスリム住民がすでに州総人口の25%を超え、西部と中部では過半数に達する県も少なくなくなっており[8]、この状況はAIUDFをますます有利にしていると考えられる。実際に、2011年州議会選挙では移民・ムスリム排斥を唱えたアソム人民会議とBJPが共に惨敗を喫し、2014年連邦下院選挙では上記の通りAIUDFが躍進している。
注
- ^ Lok Sabha. “Members Seventeenth Lok Sabha Party-wise List(第17回ローク・サバ― 議会政党別リスト)”. ローク・サバー公式サイト. 2019年5月31日閲覧。
- ^ a b c 木村(2011)、71頁。
- ^ Rupakiyoti Borah, "Assam Elections 2006: Surprises Galore," Institute of Peace and Conflict Studies, 26 May 2006.
- ^ 木村(2011)、201頁。
- ^ "Assam Assembly Polls 2011," oneindia news, 9 Mar 2011.
- ^ 木村(2011)、200-201頁。
- ^ BJP wins 7 seats in AssamThe Hindu、2014年5月17日(2014年5月17日閲覧)
- ^ 木村(2006)、261頁。
参考文献
- 木村真希子・執筆部分、広瀬崇子、北川将之、三輪博樹『インド民主主義の発展と現実』勁草書房、2011年。ISBN 978-4-326-30195-9。
- 木村真希子・執筆部分、広瀬崇子、南埜猛、井上恭子編著『インド民主主義の変容』明石書店、2006年。ISBN 4-7503-2283-0。
| |
---|---|
政党連合 | 国民民主同盟(人民党など) - インド国家開発包括同盟(インド国民会議など) - 統一国民進歩同盟(左翼戦線・大衆社会党など) - 左翼戦線(インド共産党マルクス主義派など) |
全国政党 | |
地方(州単位)政党 | ドラーヴィダ進歩党 - 全インド・アンナー・ドラーヴィダ進歩党 - シヴ・セーナー - 全インド草の根会議派 - アカリ・ダル - テルグ・デサム党 - 全インド前進同盟 - サマジワディ党 - 革命社会党 - ジャナタ・ダル (世俗派) - ジャナタ・ダル (統一派) - ビジュ・ジャナタ・ダル - インド国民ローク・ダル - 全国ローク・ダル - ジャンムー・カシミール民族協議会 - ジャンムー・カシミール人民民主党 - ローク・ジャンシャクティ党 - ドラーヴィダ復興進歩党 - シッキム民主戦線 - シッキム革命戦線 - アソム人民会議 - 全インド統一民主戦線 - ボドランド人民戦線 - ジャールカンド解放戦線 - テランガーナ国民協会 - ケーララ会議派 - ミゾ国民戦線 - ナガランド人民戦線 - 労働者党 - ウッタラーカンド革命党 - インド共和党 - 全インド統一ムスリム評議会 - インド連合ムスリム連盟 - マハラシュトラ・ナヴニルマン・セーナー |
Portal:政治学 - Category:各国の政党 - インドの政治 |