累積債務問題(るいせきさいむもんだい)とは、ブラジル・メキシコ・フィリピンなどの中所得国が1980年代に、世界的な景気停滞と商品価格低下に加えてアメリカの高金利政策などの影響を受けて、増加した金利負担で対外債務の返済が困難となった問題のこと。
これらの国々は1970年代後半には、一次産品の高価格化と豊富な産油国の資金を背景に、先進国から大規模な借り入れを行い、工業化により高い経済成長率を示していた。
しかし、1970年代末からアメリカでインフレ退治を目的にした金融政策で金利が異常に高まったため、諸国が輸出対価で利払いを行うという構図を破綻させた。これは、アメリカ自身が資本輸入国となり諸国の成長パターンとの競合が発生したことが根本的な要因である。
累積債務問題が深刻化してからは、債務の削減、債務返済の繰り延べ(リスケジューリング)、債務国への新規貸付などの救済策がとられて危機は一応回避されたが、アフリカや中南米諸国を中心に債務返済に苦しんでいる国は多い。
関連項目
|
---|
理論 | 大分類 | |
---|
モデル | - ガロア=ゼイラ・モデル(英語版)
- ソロー=スワン・モデル(英語版)
- ツー・ギャップ・モデル (Two-gap model)
- チェナリ=ストロウト・モデル (Chenery-Strout model)
- ハリス=トダロ・モデル(英語版)
- ハロッド=ドーマー・モデル(英語版)
- ビッグ・プッシュ・モデル(英語版)
- 非均斉成長の戦略(英語版)
- フェイ=ラニス・モデル(英語版)
- マルサスモデル
- 二重経済モデル
- ヌルクセの均斉成長理論(英語版)
- ラムゼイ=キャス=クープマンズ・モデル(英語版)
- ロストウの離陸モデル(英語版)
|
---|
関数形 | |
---|
|
---|
実証 | |
---|
概念 | 成長概念 | - 経済成長の黄金律
- 均斉成長均衡(英語版)
- 経済学における収束
- チェナリー=シルクイン型成長 (Chenery–Syrquin patten of economic growth)
- 非経済的成長(英語版)
- 必須成長(英語版)
- 包括的成長(英語版)
|
---|
立場 | |
---|
技術革新 | - ソロー中立型技術革新 (Solow-neutral technical progress)
- ハロッド中立型技術革新 (Harrod-neutral technical progress)
- ヒックス中立型技術革新(英語版)
|
---|
その他 | |
---|
|
---|
問題 | |
---|
人物 | |
---|
カテゴリ:開発経済学・カテゴリ:マクロ経済学・カテゴリ:マクロ経済理論 |